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2022.02.21

おこま三回忌法要

愛猫おこまが亡くなってから2年が過ぎた。

この日曜日,三回忌法要を龍蔵寺で挙げてもらった。

雪がちらつく朝のことである。

↑龍蔵寺の山門

↑雪がちらつく中,本堂を訪れた。

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↑三回忌を迎えた様々な家の愛犬・愛猫たち。おこまの名も見える。一緒に法要してもらう。

「仏法遙かに非ず,心中にして即ち近し」,これは弘法大師の言葉であると,法要後の説法で聞いた。

仏教は心のありように関する科学。おこまは心象風景として心の中に再生される。

↑2016年2月22日,箱の中で遊ぶおこま嬢。

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2022.02.11

東南アジアの現代史はこれで:『はじめての東南アジア政治』

東南アジアの歴史について気軽に読める本としては,レイ・タン・コイ『MTG 日本語 吹きさらしの荒野 1枚』(文庫クセジュ)や『物語 シンガポールの歴史』(中公新書)や『スゴ運。リストラされて全財産4419円だった僕が宝くじで6億円当てたスゴい方法』(中公新書)のような各国史があるのだが,ここ数十年の東南アジアの歴史を半日で知りたい,と思ったら,この本が良い:

はじめての東南アジア政治』(有斐閣ストゥディア)

東南アジア各国の政治を知るための第一歩として「マレーシア,シンガポール,ブルネイ」,「フィリピン」,「インドネシア,東ティモール」,「タイ」,「ミャンマー」,「ベトナム,ラオス,カンボジア」の計6章で各国の現代史を解説している。

各章20ページ前後にまとまっており,話題も絞ってあるので,とても読みやすい。ある国の現代史を要領よくまとめて記述する際のお手本のような文章だった。

とくに「ミャンマー」の章を読んだあとで,あの分厚い『みーみー様専用です。男の子 肌着ロンパース2枚組』を読み直したら,ビルマが独立以来宿痾のような課題を抱えていることが理解しやすくなった。

もちろん,第8章以降の比較政治,国際政治のトピックスも面白い。老生が興味深く読んだのは「第8章 国民国家建設」と「第14章 国境を超える人々」。

最終章の「日本と東南アジア」は必読。

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『「シェルパ」と道の人類学』を読む

先日はロバート・ムーア『トレイルズ (「道」と歩くことの哲学)』を読んだわけだが,同じく,道について考察した本を読むことにした:

古川不可知『「シェルパ」と道の人類学』がそれである。

著者はエベレスト周辺の住民と道について考察しているのだが,ロバート・ムーアと同じようなことを第1章で述べている:

「道について思考するとは,人類学という実践の根底の部分に光を当てると同時に,われわれが日々を生きるこの世界の基盤を問い直すということなのである」(21ページ)

コロナ禍のせいでネパールにはここ2年ほど行っていない。

ネパールと言っても老生が過ごしていたのはカトマンズ周辺で,この本で対象としているエベレスト周辺まで足を延ばしたことは無い。

とはいっても,遥かに望んだヒマラヤの地にこのような道があり,それを通って日々暮らしている人々がいることを思うと,ネパールのことを懐かしく感じる。

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2022.01.24

ざんねんないきもの事典 : おもしろい!進化のふしぎ

アフガニスタンが今のような状況に至ったプロセスを一人の人物の視点から描いているのがこれ,髙橋博史『破綻の戦略:私のアフガニスタン現代史』である。

著者はカーブル大学留学以来,40年にわたってアフガニスタンとの外交に関わってきた。

著者の友人「アクラム君」,「アフガニスタンのロビン・フッド」マジッド・カルカニー,「パンジシェール峡谷のライオン」アフマッドシャー・マスード,ターリバーン運動最高指導者ムッラー・ムハンマド・ウマル。

彼らは立場・主義主張こそ異なるが,いずれもアフガニスタンをアフガニスタン人のもとに取り戻すための戦略を持っていた。しかし,いずれも破綻した。彼らに加え,中村哲医師もまたアフガニスタンに平和をもたらす戦略を抱いていたが,凶弾に倒れた。

本書はこれらの人々に対する挽歌である。

あとがきで著者が「書き残すより行動することに重きを置いてきた私にとって,執筆は難行苦行でした」と書いているが,第1章から第5章,そして第7章の文章は平易でわかりやすい。131頁の記述にみられるように,ところどころもうちょっと整理した方が良い文章も散見されるが。

この本の中で第4章「ムッラー・ウマルと七人のサムライ伝説」は現在のアフガニスタン情勢を理解する上で重要だと思う。

この章を読むと,なぜターリバーンが急速に勢力を拡大していたのか,その一因が見えてくる。ソ連撤退後,アフガニスタンはムジャーヒディーン各派による戦国時代に突入。飢餓が全土を襲い,少年も含めて婦女子が凌辱されるという惨状を呈していた。そこにシャリーアとパシュトゥーンワーリーによる厳格な統治を進めるターリバーン運動が登場したことは,民衆にとって光が差したように思えたのだろう。パキスタンの支援があるとはいえ,民衆の支持なしにターリバーンが勢力を拡大することはできないだろう。

この章を読んだうえで,「はじめに ターリバーン最高指導者の悔恨と死」を読むと,ターリバーン運動が路線を誤った過程,そして路線を修正し,現在に至った過程が理解できる。

第6章「9.11事件の序幕 マスード司令官暗殺事件」は著者がタジキスタンの首都・ドゥシャンベに在任していた時の諜報戦の記録であり,貴重な証言ではあるが,時間が前後していたり情報が錯綜していたりして,人によっては少し読みにくいかもしれない。

 

上に書いたように,著者が出会った人々の戦略はいずれも破綻した。だが,著者はあとがきでこう述べる:

「はっきりしているのは、どのような逆境にあっても、この地に住む人びとはあらゆる干渉を退けて、自分たちのアフガニスタンを守るのだということです。たとえ、その戦略が破綻しようとも」

 

最後に蛇足。

『破綻の戦略』というタイトルだが,老生の言語感覚だと「戦略の破綻」という語順だろうと思う。『進撃の巨人』が「巨人の進撃」を表すように,最近は日本語の用法が変わってきたのかもしれない。

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2022.01.19

ロバート・ムーア『トレイルズ』を読む(続)

「この本は,あちこちへと回り道をしながら,トレイルの知恵について探求してきた。それは,未知の土地を進み,目的地に到達するために必要となる知恵だ。その土地とは,海底の砂の上かもしれないし,新しい知の分野かもしれないし,ひとりの人間の人生かもしれない。この知恵はいたって人間的であり,いたって動物的であり,わたしたち個人の,そして社会の未来に大きな実りをもたらす。」(ロバート・ムーア『トレイルズ (「道」と歩くことの哲学)』(原題: "On Trails, An exploration"),361頁)

アパラチアン・トレイルエディアカラ紀の生物が残したトレイル,アリやテンマクケムシの道,ゾウ,ヒツジ,バッファローの道,アパッチ族のインティン(道)の例え,トポジェニー,大西洋を越えてニューファンドランド,アイスランド,モロッコへと拡大するインターナショナル・アパラチアン・トレイル,ニンブルウィル・ノマドのスルーハイクと人生の道のり,寒山が登った山中の小径,……ありとあらゆる道について思索したこの本は,これ自体が思索のトレイルである。

混沌の中に放り込まれたとき,助けになるのが先人の歩んだ道,トレイルである。トレイルは外部記憶であり知恵であり秩序である。トレイルを辿ることで,人々は迷子にならないで済む。しかし,真実の半分は混沌の中にある。ときどきは混沌の中に新しいトレイルを作る必要もある。混沌と秩序の両方を愛さなくてはいけない。

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2022.01.17

イェンセン『王の没落』:ヒュッゲじゃない動乱のデンマーク

デンマークと言えばヒュッゲ,というのは現代のイメージ。

雪と泥と血と汗で彩られた15~16世紀のデンマークを描いたのが,イェンセンの『王の没落』(岩波文庫,長島要一訳)である。

北欧に一大帝国を築くという大きな野望を持ちながら,決断力の無さと実行するタイミングの悪さによって失墜していく,デンマーク王・クリスチャン2世

彼に仕えるのが,主人公ミッケル・チョイアセンである。

ミッケルは鍛冶屋の息子として生まれ,学者を目指してコペンハーゲン(クブンハウン)で学ぶも,挫折。傭兵となりやがてクリスチャン2世直属の騎士となる。

夢を抱きながらも能力と決断力の欠如によって転落していくという点で,ミッケルとクリスチャン2世は重なっているし,デンマーク王国自体の歴史もまた重なっている,というのは訳者が解説記事で語っている通り。

クリスチャン2世がいた時代は,大航海時代の幕開けの時代と重なっている。海洋国家として飛躍する可能性があったものの,デンマーク(と北欧各国)は戦乱の中でチャンスを失った。

クリスチャン2世の父による小国ディットマールシェンへの侵攻は,15,000の大軍が鏖殺される結果となった。クリスチャン2世によるスウェーデン独立派の鎮圧はストックホルムの血浴へとエスカレートし,かえってグスタフ・ヴァーサを中心とする独立派の団結を促した。

力を失ったクリスチャン2世はやがてセナボー城に幽閉されることとなり,ミッケル・チョイアセンも王と起居を共にし,この城で生涯を閉じることとなった。

 

【章立て】

第1部 春の死

ミッケル/夜のコペンハーゲン/夢見る人/春の痛み/ミッケルが沈む/オッテ・イヴァセンの堕落/町から医師が運び出される/帰省/憧憬/雷雨/復習/報復/死神/再会

第2部 大いなる夏

アクセル,騎馬で登場/帰省ふたたび/「すべてが終わった」/ガレー船/歴史の奸策/ルーシー/血浴/ミゼレーレ/小さな運命/原生林にて/丸い容器/自業自得/デンマーク人の死/王が没落する/財宝/インゲ

第3部 冬

帰郷ふたたび/火事/敗北/時/ヤコブとイーデ/宿無し/セナボーにて/カロルス/火/冬の声/グロッテ/バイオリン弾きのさようなら

 

ミッケル・チョイアセンは生涯独り者であったが,複雑な経緯を経て,またミッケル本人の意思とは関係なく,娘インゲ,孫娘イーデとその血が受け継がれていく。これもまた面白い展開である。

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2022.01.10

血中アルコール濃度0.05%という誤解|トマス・ヴィンターベア監督『アナザーラウンド』

マッツ・ミケルセン主演,トマス・ヴィンターベア監督のデンマークの映画『アナザーランド』(原題:Druk)を見てきた。

アカデミー賞国際長編映画賞受賞作。

血中アルコール濃度を0.05%に保つと仕事もプライベートもうまくいく!というノルウェー人哲学者の仮説に,マーティン,ニコライ,トミー,ピーターの4人の高校教師がチャレンジするというブラックコメディ―。喜劇が悲劇に転じるが,最後に救いもある。

映画でノルウェーの哲学者として紹介されていたのは,ノルウェーの精神科医MICHAEL KORS 黒のケースである。

ちなみに「血中アルコール濃度0.05%」仮説は仮説でもなんでもなく,Skårderudが200年前の本の前書きに書いた文章が誤解されて広がったものである。
Skårderudはこの仮説の提唱者と言われて迷惑しているようだが,この映画自体に対しては高い評価を与えている(参考:"Norwegian psychiatrist on misinterpreted alcohol theory: "Today they had called it fake news", Nyheter, SVT, 2021/4/28)。

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2022.01.03

三社参り?|人麻呂様,八幡宮,護国神社

おせち料理ばかり食べていたら,やはり太ったので,運動を兼ねて三社参りをした。

↑人麻呂社

↑八幡宮

↑護国神社

三社参りは西日本に根付いた風習だと仄聞しております。

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